ホームページからの転載です。たまにはこういうのもいいですよね?笑
クラシック音楽とポピュラー音楽(いわゆるポップスですね)・・・それぞれに対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか?ポップスしか知らない人か らすると、クラシック音楽は「何だか難しそうで、とっつきづらいもの」というイメージがあるかも知れません。逆にバリバリクラシックの人からすると、ポッ プスは「テキトーな音楽で、クラシックの勉強には必要ない」という見方をする人もいるでしょう。
tOmozo日誌▼スポンサーリンク
ではそれぞれにはどのような違いがあるのでしょうか。まず音楽との関り方には、大きく分けて「演奏」「創作」「鑑賞」の3つがあります。
クラシック音楽をたしなむ人の中では、鑑賞の分野を除くと「演奏家」人口が非常に多く、昔から現代にかけての「作曲家」が作った楽曲を演奏するのが演奏家 です。演奏は「その作曲家らしさ、その作品らしさ」を表現することが大事になっていて、自分勝手な演奏は認められない世界です。
一方ポピュラーでは、歌が入っている楽曲が圧倒的に多いですが、演奏者が自分で曲を作ることが増えているのではないでしょうか。例えばシンガーソングライターなんかは良い例です。
なぜ「演奏家兼作曲家」が多いかと言えば、ポピュラー音楽が「手軽に楽しめる音楽」として広まったことによって、分かりやすく 聴きやすい楽曲が好まれていて、誰でも簡単に音楽作りができるからです。特にこれと言った決まりや法則は無く、「なんか良い」曲が残っていく、何でもアリ の世界です。<br>
クラシック音楽は「なんか良い」だけでは安易で、クラシックにおける「素晴らしい曲」「素晴らしい演奏」には、学術的な裏づけや、もっと明確で繊細な評価 基準も存在します。
そしてクラシックは音楽自体が繊細に複雑にできているものが多いです。中には「これ、間違った音を弾いてんじゃないの?」と思うような 複雑で難解な曲もあります。中には「ピアノの前に座って、4分33秒間何もしない」ような曲もありますが(笑)。
音楽には「音楽の諸要素」と呼ばれるものがあり(西洋音楽の場合ですが)、リズム、メロディー(旋律)、ハーモニー(和音)、音色、拍子、キー(調)、 テンポ(速度)、ダイナミクス(強弱)、アーティキュレーション(表情の付け方)、フレージング(音楽の流れ・区切り)などがありますが、ポピュラー音楽 では、特にダイナミクスやアーティキュレーションなどはおざなり、つまりテキトーに扱われているように感じます。それは楽譜に顕著に現れているでしょう。 例えば歌の曲を簡単にアレンジした楽譜なんかでは、「ff」や「pp」などの強弱記号や、スラーやアクセントなどのアーティキュレーション記号はほとんど 見られません。そして、楽譜にはコード(和音)記号が記されていて、自由なアレンジができるようになっています。<br>
クラシックでは、作曲家がこれらひとつひとつの音符や記号を丁寧に楽譜に書きおこし、それぞれの楽器、声種に一番ふさわしいように曲を作ります。演奏家はこれに従って、その作曲者が伝えたいこと、表現したいことを、自分の感性とのバランスを取りながら演奏します。
ポップスではテンポもほとんど揺らさず、音量は聴きやすくするためにマイクやアンプ、コンプレッサー(小さい音量の部分は上げて、大きな部分の音量は下 げる機械です)</font>を使って一定に潰すことが普通です。そもそも「f」や「p」は単なる音量以上に「音楽の表情」を表す意味あいを 含んでいますし、これらの部分が意識されにくいポップスの音楽は、素人が演奏すると「ただ音符をなぞっているだけ」、「その音が鳴っていればさえ良い」と いうように聴こえることさえあります。そしてアーティキュレーションなんかは、ミュージシャンが「ノリ」や「グルーブ」とか言って直感的に付けていくのが 普通なので、これらの要素は楽譜に書きおこされることがありません。そのため音楽作りの際には意識されないことが多く、「なんでもアリ」な部分も相まっ て、クラシックの世界から「テキトーな音楽」だと言われる一因となっています。「ポップスの人間にはクラシックは理解できない、演奏できない」という見方 もこういったところに起因しているのでしょう。クラシックを勉強した人の音楽はPOPSで仕事をしてもやはり繊細で緻密に感じます。もちろんそれは人によ るので一概には言えませんが・・・。繊細なものを緻密に勉強しただけあって、そういう風に感じられることが多いです。
しかし、音楽は「楽しめるものである」というところはどんな音楽にも共通する部分です。どんな音楽にも元々「表情」はあって、さらにこれらの「音楽の諸要素」を意識して創作・演奏することで、もっと色々な表情を持った音楽にすることができます。